コラム

高血圧の薬は一生飲まなければならないの? ー高血圧症の話(1)ー2016年9月

 「高血圧の薬を一回飲み始めると、一生飲まなければいけないんですよね?」

 高血圧症と診断された方に薬の治療をすすめると、このように言われることがよくあります。高血圧の薬は、一度飲みだしたら一生やめられないと思っている方が多いようです。その結果、血圧の薬はなるべく飲まずに様子を見たいと治療を先延ばしにしてしまい、血圧が高いままになってしまうのです。

 本当に血圧の薬は一度飲み始めるとやめられないのでしょうか?結論から言うと、そんなことはありません。高血圧症の治療をしていく中で薬の量を徐々に減らしたり、中止できる方もいます。ただ、高血圧症は一部の例外を除いて生活習慣病として発症することが多いため、生活習慣を改善させることがなかなかできずに結果的に長く飲み続けることになる人が多いことも事実です。

 では、血圧が高いままで放置した場合、どのようなことが起こりうるのでしょうか?高血圧症を治療せずに血圧が高い状態が長く続くとその間に動脈硬化が進んでしまい、さまざまな臓器障害が進行してくる確率が高くなります。いったん動脈硬化によって血管がかたく変性してしまうと、その後治療を始めたとしても元に戻すことは難しくなってきます。そのため、かえって薬を長く飲み続けなければいけないということも起こりえます。高血圧症で血圧を下げる一番の目的は、動脈硬化やそれに伴う臓器障害の進行を抑え、将来的なリスクをなるべく減らすことです。そのため、早期からしっかりとした治療を行うことが、非常に重要です。

 また、特に若い方ほどしっかりとした血圧の治療が必要です。若い方ほど長年かけて動脈硬化が進行し、将来的に脳卒中や心筋梗塞などのさまざまな合併症を発症するリスクが高くなるからです。健診などでは、とくに働き盛りの男性で高血圧を指摘されながらも治療を受けていない方を多く見かけます。まだ若いのだから大丈夫、ではなく、若いからこそ早めからのしっかりした治療が必要なのです。

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