コラム
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胃がん検診などで、ピロリ菌感染症の疑いがあると言われたことはありませんか?最近ピロリ菌のことを耳にすることが増えましたが、ピロリ菌って何でしょうか?
ピロリ菌は、胃の粘膜に感染する菌で、胃炎、胃潰瘍や胃がんなどの原因になることが分かっています。多くの場合は子供のころに井戸の水を飲むことで感染し、そのまま気づかずに長年感染することで、将来的にさまざまな病気を引き起こすリスクが高くなってきます。ピロリ菌感染が診断された場合、除菌治療を行うことで将来的な胃がんなどのリスクを減らすことができるのです。
ピロリ菌感染症の検査方法としては、呼気検査、血液検査、胃の組織検査などの方法があります。当院ではまず内視鏡検査を行い、ピロリ菌の感染が疑われた場合にさらに血液検査を行っています。ピロリ菌の感染が確認できた場合、次に除菌治療を行います。ピロリ菌の除菌治療として抗菌剤や胃薬を組み合わせた治療薬を1週間内服していただきます。その後、6~8週後に再検査を行い、除菌が成功したかどうかを確認します。まれに通常の薬剤に対する耐性菌などで菌が残ってしまうこともあり、この場合は薬剤の組み合わせを変えた二次除菌治療を行うことになります。二次除菌まで含めると、ほとんどの方が除菌に成功できています。
これまで胃潰瘍や胃炎を繰り返している方や胃がん検診などで異常を指摘された方はピロリ菌に感染している可能性があるため、医療機関で相談するようにしましょう。