堀ノ内クリニック

コラム

高血圧症で食事療法が必要といわれました。どんなことに気をつけたらいいの?
-高血圧症の話(2)-2017年4月

 高血圧症の食事療法で最も大切なことは、減塩です。高血圧症の治療指針では、塩分を1日6g未満にすることが推奨されています。6g未満というと、1日3食の場合、1食あたり2g未満ということになります。これは、実はかなりきびしい数値です。例えば、梅干し1つで約2g、みそ汁一杯で約2g、塩鮭1切れで約2.5gもの塩分が含まれています。ご飯とみそ汁におかずに梅干し・・・などと足していくと、あっという間に2gどころか1日の塩分量の6gを超えてしまいます。
 和食は低カロリー・低脂肪で健康食とされていますが、実は塩分が多く含まれています。日本人が日常的に食べているメニューの多くが塩分過多となっているため、減塩していくにはかなり意識して気をつけていく必要があります。病院で出されているような完全な減塩食を普段から食べることができれば理想ですが、家庭で減塩食を続けていくことはかなり難しいのではないでしょうか。ここでは、完全な減塩は難しくても、毎日の食事でなるべく減塩していくために気をつけたいことをお伝えしていきます。

家庭での食事で気をつけること

 家庭で調理する場合は、うす味を心がけることで比較的塩分の量をコントロールしやすいといえます。ただし、食材や調理法によっては塩分過多になってしまいますので、以下のことに気をつけましょう。

・加工食品を減らして、なるべく新鮮素材を使いましょう。
・梅干し、たくあん、つくだ煮などのご飯のおともはなるべく避けましょう。
・みそ汁、スープなどの汁物は1日1杯以下にして、なるべくうす味にしましょう。
・調味料は目分量での使用は避け、計量して使いましょう。
・だしを使うと減塩してもおいしく感じられます。
 ただし、インスタントだしにはすでに塩分が含まれていますので、注意が必要です。
・煮込み料理では、なるべく最後に味付けをして、調味料が具材にしみこむのを防ぎましょう。
・焼き物などでは、少ない調味料でもしっかり味を感じられるように、表面に味付けしましょう。
・お酢や唐辛子、香辛料など酸味・辛味を利用しましょう。
・テーブルにお醤油や食塩を置かないようにしましょう。味が薄いからと味付けを足さないようにしましょう。

外食で気をつけること

 外食では家庭での食事に比べてカロリーや食塩量が多くなるため、高血圧症の方には基本的にはおすすめできません。とくに、うどん・そば・ラーメンなどの麺類では、汁まで含めると一杯あたりの塩分量は5~8gにもなってしまい、注意が必要です。また、和食の定食であっても一食あたり5~7gにもなります。どうしても外食にする場合は、以下のような注意が必要です。

・みそ汁は具を食べて、汁を残しましょう。
・うどん・そば・ラーメンなどの麺類は避けましょう。食べる場合は、汁を残しましょう。
・お漬物は食べないようにしましょう。
・すでに塩分が多く含まれているため、しょう油やソースをかけるのはやめましょう。
・お寿司も注意が必要なメニューです。なるべくしょう油をつけすぎないようにしましょう。

 減塩以外にも、適正なカロリーにして肥満を解消することや、野菜を十分にとること、アルコールや甘いものを控えることといったことも大切です。これらのことに気をつけて、上手に血圧コントロールをしていきましょう。

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