コラム
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健診でコレステロールが高いと指摘されることがありますが、お薬の治療を受けた方がいいのか分からずに悩まれる方も多いようです。どのような場合に治療を考えた方がいいのでしょうか?
まず、一口にコレステロールといってもいくつかの項目があり、それぞれに診断基準が異なります。脂質異常症(高脂血症)の診断基準は、LDLコレステロール140mg/dL以上、HDLコレステロール 40mg/dL未満、中性脂肪(TG) 150mg/dL以上となっています。この中でも特に高LDLコレステロール(俗にいう悪玉コレステロール)血症は、動脈硬化を悪化させるリスクが高く、心筋梗塞や脳梗塞といった疾患を引き起こすリスクが高いことが分かっています。なお、健診によっては総コレステロールを測定することがありますが、総コレステロールが高値であってもそれぞれの項目が基準内であれば、治療の必要はありません。
脂質異常症の治療の必要性は、コレステロールの数値以外にも多くの危険因子(年齢、性別、喫煙、その他の病気の有無など)によって大きく異なってきます。治療基準に関しては、日本動脈硬化学会が発表した「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」というものがあり、そこに詳しく述べられています。
ガイドラインによると、LDLコレステロール値が高い方のうち、特に動脈硬化のリスクが高く治療を行った方がいい方は以下のような場合です。
以上の場合は動脈硬化のリスクが高いため、生活習慣の改善を行うとともに、お薬の治療の検討が必要になります。また、脂質異常症に糖尿病や高血圧症といった他の生活習慣病を合併している場合は、他の疾患の治療も同時に行っていくことが大切です。
実際にお薬の治療を行うかどうか、またLDLコレステロール値をどこまで低下させた方がいいのかは、それぞれの方の病状により異なります。コレステロールが高いと言われた場合は、まずは医師に相談してみてください。