高齢化社会に伴い、認知症になる方が増加してきています。ご家族やお知り合いが認知症と診断された方や、最近忘れっぽくなってきて認知症を心配されている方も多いのではないでしょうか(→詳しくは、「アルツハイマー型認知症って?加齢によるもの忘れと何が違うの?-認知症の話(1)-」をご覧ください)。では、認知症の発症を予防するためにはどのようなことに気をつければいいのでしょうか。
では、ここで問題です。以下の項目のうち、認知症のリスクが高くなるものはどれでしょうか?
1.肥満
2.たばこ
3.高血圧
4.糖尿病
5.運動不足
…答えは、すべての項目が当てはまります。
最近の研究で、認知症は生活習慣病の一つであることが分かっています。高血圧症や糖尿病などの他の生活習慣病と同様に、適正な食事量を守って肥満を予防すること、普段から体をしっかり動かしていくことが認知症の予防につながります。また、すでに高血圧症や糖尿病などの病気がある方は、これらの治療をしっかりと行っていくことも認知症予防のうえで重要です。
認知症を予防するために毎日の生活で心がけていただきたいことを以下にまとめました。
・毎日の食事は腹八分目に抑え、野菜や魚を中心とした、バランスの良い食事を心がけましょう。
・肥満を予防しましょう。すでに肥満がある場合は、少しずつ減量しましょう。
・加齢に伴う体力の低下や足腰の筋力低下を防ぐために、歩行運動などの適度な運動をしましょう。
・週3日程度、1日あたり5000歩程度を目安に行いましょう(腰やひざが悪い方は無理のない範囲で行ってください)。
・生活の中に趣味や楽しみを持ちましょう。好きな音楽を聴いたり歌ったり、囲碁などのゲームやスポーツをして楽しみましょう。家族や友人とのおしゃべりも良い気分転換になります。
・イライラせずゆったりとした気持ちで過ごし、上手にストレス発散しましょう。
・定期的に健診を受け、高血圧症や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の早期発見に努めましょう。
・すでに生活習慣病と診断されている方は、食事や運動、お薬の治療をしっかりと行いましょう。
・現在たばこを吸っている方は、禁煙しましょう。自分で禁煙することが難しい場合は、禁煙外来で禁煙治療を受けられる場合があります。